みのまわりは「身」の周り!
算数、
小学2年生、長さの勉強。
教科書では、
センチ(cm)やミリ(mm)の勉強をして、ものさし(定規)やかずのせん(数直線)の勉強をしたあと、さいごに「みのまわりのものをはかろう」というページが出てきます。
私は、
「教室内を歩き回っていいから、いろんなものをはかってごらん」
と言いました。子どもには楽しい時間ですが、あくまで教科書通りです。
みんなはさっそく、ノートとものさし片手に席を立ち、喜んで歩き回ります。
そんななか、
「みのまわりのものをはかるんでしょう。だから身の周り!」
と言って、せっかく私が
「教室内を歩き回っていいから」
と言っているのに、頑として席を立たず、座ったまま、身近なものをはかりつづける子がいました。
座ったまま手の届く範囲だけで、どれだけたくさんのものをはかれるかに挑戦しているのです。
たとえ普通の授業でも
私はどちらかと言うと教科書通りにすすめるタイプです。
ベテランの先生方の中には、教科書を使うことを好まない方もあって、それも一理あると思いますけど、
と、ある先生に言われて「なるほど!」と思ったので、それ以来、教科書ベース。
だから、まあ、この日も特別な工夫をしているわけではない、教科書通りの授業。
「教科書通り」という言葉は、なんとなく「つまらない」と同義にも使われる言葉ですが。
その教科書通りの授業の中でさえ、こうして、子どもはこちらの思惑を超えてくる。
しかもその子は、結果的に、歩き回った子以上の数のものをはかって、しっかりノートに記録していました。
なぜかというと、座ったっきりのその子のもとに、親切にも、他の子どもたちがいろいろとものを持って行ってあげたから!
子どもはどこでも子どもだよ
世間じゃ、
とか言うけどさ、私は、
って、実は心の中でいつも思ってる。
子どもは、どんな状況でも、工夫したり楽しんだりする才能を持っている。
普通の公立小学校の、普通の教室の、普通の授業でさえ、こうやって、アイデアひとつで自分なりに楽しんじゃえるのだ。
大人がすべきことは、子どもの環境を整えることではなく、子どもの発想を保障してやることだと思う。