家族支援@学校
ー保護者対応から、保護者理解・保護者支援へー
マミ先生の教室

学校が占める割合は、子どもの生活時間のたった27%

(幸せな子育てのヒント・家族支援@学校 同時投稿)

「給食で食育を」とか、「ネグレクトの子どもは給食だけが命綱」という話が気になって、そもそも給食って、子どもの全食事のどれくらいを占めているんだろうと思って計算してみました。これが意外なほど少なかった!
そこから、「ちょっと待てよ、学校って子どもの全生活のどれくらいの時間を占めているんだろう」と思って計算してみたら……。

子どもの全食事のうち給食が占める割合

いろんな考え方ありますが、まあ、一応一日3食食べると仮定しましょう。
すると、子どもの全食事数は、

365日×3回=1095回

一方、給食の回数は、学校の登校日は平均200日なので、

約200日×1回=約200回

となると、子どもの全食事に対する給食の割合は、

200÷1095=約18%

約18%! 2割にも満たないんですよ!

庶民もメディアもアカデミックも、ぜったい、食事の6割ぐらいを給食が占めているようなイメージで、モノを語っていませんか?
冷静に考えれば、1日分の食事としても、1/3分に過ぎないのに、給食に対する語りっぷり、期待値が大きすぎる気がします。

給食が、子どもの摂る食事の内のたった約18%となると、給食で栄養バランスをとるとか、食事の躾をするとか、噛む力をつけるとか、ネグレクトの子の生きる糧になるとか、だいぶナンセンスな話になってきませんか?

栄養バランスも、食事の躾も、約18%のところでやるより、残りの約82%でやる方が、理にかなっているように思うのは私だけ?
ネグレクトの子だって、親がそれなりに食べさせてなければ、約18%では生き延びれないのでは?

まあ、百歩譲って、学校が食育をするとしましょう。
でも、しつこいけど、その食育が食生活に活かされているかは、学校では、約18%しか検証できませんよ。
いくら学校で食育しても、約82%の食事に共通する食習慣には抗いがたいのは、誰でも納得する話のように思います。

mami
mami
私個人としては、既存の西洋栄養学だけを学校教育の基礎とすることに疑問があって、なおかつ、和食に牛乳もOKという給食スタイルにも違和感があるので、学校で食育はうーん……と思っています。 

子どもの全生活時間のうち学校が占める割合(部活除く)

全食事に給食が占める割合は、驚くほど少ない。

となると、もしかして、学校そのもので過ごす時間も、人々のイメージよりも少ないのではないか、と私は閃きました。
そこで、しこしこ計算してみました。

大人も子どもも、1年間に生きる時間は 365日×24時間=8760時間

子どもが学校に行っている時間は 約200日×約7時間=1400時間

つまり子どもの生きる全時間のうち学校に行っている割合は、1400÷8760=約16%

えーーーー! 約16%! 給食の割合より少ないやん!

someone
someone
ちょ、ちょっと待て。そうは言ったって、睡眠時間があるじゃないかーっ。
mami
mami
あーそうですね。わかりましたよー。じゃあ、睡眠時間を10時間として子どもが起きて活動している時間だけで考えましょうかね……。 

365日×(24時間ー10時間)=5110時間

1400÷5110=約27%

やっぱり少ない!
子どもが起きて活動している全生活時間のうち、学校に行っている時間は約27%でした。

27%なんですよ、みなさん! ざっくりいっても3割

a teacher
a teacher
道理で、どれだけ学校で教師が子どもを躾けたところで、なかなか身に付かないはずだ。
a teacher
a teacher
残りの約73%の影響の方が大きいに決まってるよねえ。
mami
mami
そうでした。子どもに対する家族の影響がどれだけ大きいかを痛感して、私は家族支援者になったんだもんなー。 

給食と同じで、いや、給食以上に、みんな、子どもの生活の大部分が学校で占められているってイメージ持ってますよね?

 

実際には、約27%です。
mami
mami
約27%っていうのは、教師の立場からも、逆にちょっとショック。その程度の時間しか、子どもに寄与できていなかったのか……。

学校のパフォーマンス力に今更驚く

子どもの生活のたった約27%しか占めていない割には、学校はずいぶん頑張っていると思いませんか。

読み書きそろばんの学習(国語、算数・数学)から、芸術的なこと(音楽、図画工作・美術、毛筆、学芸会・文化祭)、科学的なこと(理科・生活科)、社会的なこと(社会各科目、総合的な学習の時間)、身体の鍛錬(体育、運動会、マラソン大会、球技大会など)、それから、食育、道徳、外国語など。
それに加えて掃除、給食配膳、子ども同士の人間関係、時間を守る、挨拶するなど基本的な生活習慣……。
あーもう、きりがない。

これらを、たった27%の中に詰め込んで教えていたのかと思うと、当事者(教師)の私も驚きです。

a teacher
a teacher
んでもって、世間もお上も、よう27%のわたしらに、いろいろ要求なさいますなあ……。
mami
mami
いや、言われてみれば、ホントだよ……。そりゃ過労死にも働きすぎにもなるわけだ……

約27%になんでもかんでも詰め込むより、優先順位を付けて、入らないものはやめるか、残りの約73%に移譲したほうがいいかもですね……。

調子に乗って、他にもいろいろ調べてみた

付録① 2020年新型コロナウイルス休校が占める割合は?

ちなみに、2020年春の新型ウイルス感染予防のための休校期間は約3週間=21日。
元々の休日が7日間あるから、
21-7=14
これを時間にすると 14日×約7時間=約98時間

睡眠時間(10時間)を除く、こども全生活時間は 5110時間だから

98÷5110=約2%

休校中の子どもたちをなんとかしないとってみんな言ってるけど、子どもの全生活の約2%についてそんなに大騒ぎするなら、もっとうすーくでもいいから、毎日毎日の子どもの生活環境をどうするかに、もうちょっとパワー(アタマとカラダの)を使ってほしいなあ。

普段は、子どものことって、教育・福祉・支援関係者か、営利目的でやってるかのどっちかの人しかいないよね……。関係ないのにやってくれている人ってホントに少ないんだけど、こういう時には、急にいっぱい子どものことを考えてくれる人が登場する感じがする。

mami
mami
ちょっと、子どものしんどさ嘆きすぎて、偏見になっちゃってるかな……。でもやっぱ普段は、家族支援者少ないもんなー。

付録② 幼稚園・保育園や学童保育が占める割合は?

どの子も生きている時間は、365日×24時間で同じ。
ここでも、
睡眠時間を10時間にして、起きている(保育園児のお昼寝含む)時間、

365日×(24時間ー10時間)=5110時間

を基本に計算していきます。

幼稚園

幼稚園の場合、登園日数は学校とほぼ同じで、時間が一日約5時間なので、

約200日×約5時間=約1000時間

1000÷5110=約19.5%

幼稚園にいる時間って、子どもの全活動時間の2割にも満たないんですね……。

保育園

保育園は、親が完全週休二日の平均労働者と考えると、年間のカレンダー上の休日数は約130日なので、預けている日=働いている日は、

365日ー130日=235日

預けている時間は一日10時間というパターンが多数派なので、

235日×10時間=2350時間

2350時間÷5110時間=約46%

えーー、
お正月やお盆休み以外は、年間を通して一日中預かっているイメージの保育園でさえ、約46%

預かっている時間は5割を切るんですねえ!!

これをもし、一日11時間で計算しても

235日×11時間=2585時間

2585時間÷5110時間=約50%

ちょうど半分くらいです。

mami
mami
正直、保育園育ちの子って、もっと家にいる時間が少ないイメージだったなー。

学童保育

学童保育は、単純に、保育園の預かり時間から、学校の預かり時間を引けば、その数値が出ますよね。

保育園の年間時間 2350時間
学校の年間時間  1400時間

2350-1400=950時間が、学童に子どもがいる時間と考えて、

950÷5110=約18.5%

約18・5%か……。

mami
mami
これも、夏休み、冬休みにどっぷり朝から晩まで学童保育があるから、もっと多いイメージだったなー。学童保育で働く人達自身も、もっとたくさんの時間、子どもと関わっているイメージだったんじゃないのかな……。

世の中は、事実じゃなくてイメージで動いている。